内外野ともハイレベル。究極のユーティリティプレーヤー本西厚博(後編)
守備では内外野を高いレベルでこなし、打撃ではスタメンでも途中出場でもしぶとく勝負強い。こんな究極のユーティリティプレーヤー本西厚博選手。(前編)では89年5月の活躍を紹介しましたが、今回は後編として、同じく89年から10月の西武戦を紹介します。
【10/1 西武球場 対西武】
前半独走のブレーブスが夏に失速、調子を上げてきた西武と勢いのある近鉄、稀に見る三つ巴常態で迎えた西武戦、先発は今井。
手に汗握る展開で先発要員の山沖もリリーフ登板しながらも4-5で9回表を迎える。そこで松永が同点タイムリーで5-5、延長に突入。今後の勢いも考えるとサヨナラでは絶対に負けたく無いこの試合、11回表にブレーブスの底力が発揮される。
二死から先頭松永がヒットで出塁、この日何と6回目の出塁。続く二番は打率2割台後半を維持している本西。打撃好調のため七番が多かった打順も徐々に二番を任されることが増えていた。そこで「(松永さんは)初球から走る」と本西の読み通り松永は2盗に成功。
ランナー2塁で本西は「苦しい時は投手の足元を狙え」という大熊コーチの言葉を思い出し、見事にそれを実行。貴重な勝ち越しタイムリー!その後気落ちした西武投手陣からブーマーのホームランなどを浴びせ5点を奪い10-5で快勝!
勇者の底力を見せつけると同時に、本西自身も打率を再び3割に戻した。
※なんとこの試合の映像は下記から見ることができます
残念ながらこの年、チームは1厘差で優勝を逃し2位となりましたが、本西は規定打席に達しなかったものの打率.302で5本塁打。ゴールデングラブ賞も獲得する大活躍を見せました。以降もスタメン、左キラー、代打、守備固め、代走…とチームをあらゆる角度からサポートする選手として我々ファンを楽しませてくれました。
特に外野守備の能力には定評があり、オリックス黄金期にはイチロー、田口をもってしても「本西さんにはかなわない」と言わしめました。
ユーティリティープレーヤーというだけでなく、今回紹介したよう勝負強さもまた本西選手の魅力なのではないでしょうか。
(K.G)