阪急ブレーブス通信

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平成プロ野球の幕開け「青いブレーブス」圧倒的破壊力の衝撃(後編)

1989年、オープン戦を順調に終え、あとは平成最初の公式戦を待つのみとなりました。

 
相手は前年同様に近鉄。舞台は前年の西宮と異なり藤井寺へ。開幕戦予定日の4月8日(土)は残念ながら雨天中止となり、4月9日がついに新生ブレーブスの初戦となりました。

 
先発投手は両軍ともスライドとなり、佐藤義則と阿波野。これも前年と同様の顔合わせです。今年は佐藤が意地を見せたいところ。スタメンは今や伝説となったブルーサンダー打線。

 
5松永
4福良
3ブーマー
7門田
D石嶺
8本西
9南牟礼
2中嶋
6小川
P佐藤義

  
迫力十分の打線ですが、後に語られる布陣とは少し異なります。シーズン開幕前までは、外野の一角には実績のある熊野や山森が食い込むだろうと言われていました。

 
しかし開幕スタメンを勝ち取ったのは南牟礼。1989年5月中旬まで打率3割前後をキープし大活躍をみせ、応援歌も福本(のちのイチロー)のものが流用されます。そのため、この年30本塁打を放つ藤井は投手により本西と併用が続きます。

 
試合は、ブルーサンダー打線のウリの一つでもある「1番松永」が2安打2打点、つなぎ役の福良と、その後も爆発が続くブーマーのホームラン。前述の南牟礼が1打点、レギュラー奪取の21歳になる中嶋が猛打賞、ルーキー小川の二塁打と、無安打に終わった門田の穴を十分に埋める打力で8得点。

 
投げてはエース佐藤が貫禄の完封勝利。8-0で平成最初の、そして新生ブレーブスとしての初戦を飾ります。

 
この初戦で勢いにのったブレーブスはその後、ロッテ、日ハム、ダイエー相手にも勝ちを積み重ね、気が付けば開幕8連勝。結局オリックス・ブレーブスは、「平成で最も遅く黒星を経験したチーム」となります。

 
※私事で恐縮ですが、当時、8連勝が止まった時、私は学校を休みそうになるほどに落ち込みました(今思えば大変に贅沢な思考でしたね笑)

 
強さの原動力でもある打線でしたが、特に2~4戦目のロッテ戦では3試合で30得点、桁違いの迫力をみせます。また、けん引役のブーマーは開幕5戦で7ホームランと相手投手が手を付けられない状態でした。

 
わずか2年間、伝説的に輝き続けた重量打線ですが、やはり開幕戦で快勝したことで勢いがついたといえるのではないでしょうか。平成最後の開幕戦、どのような意味合いを持つことになるのか、今から楽しみです。
(K.G)