阪急ブレーブス通信

〜阪急ファンで行こう!EVOLUTION〜

履正社高校出身の「あの選手」が呼び覚ました勇者たちの記録と記憶

 
夏の全国高校野球が終わりました。履正社高校が初の日本一に。それにともなって、履正社出身のプロ野球選手にも注目が再び集まっています。


記録面で注目されるのはヤクルトの山田哲人選手です。昨年に続き、30本塁打、30盗塁をすでにクリア。打率は2割8分2厘(8月26日現在)ですが、プロ野球史上初の「4度目のトリプルスリー」達成が期待されます。
 

 
山田選手は以前も2年連続でトリプルスリーを達成し、今年もクリアとなれば再び2年連続での記録達成となります。履正社高校の躍進と相まって、あらためてその野球センスの凄まじさを世に知らしめた格好です。(それにしても大阪出身のこの選手をドラフトで逃したのは痛かった)
 

 
「トリプルスリー」は阪急ファンの皆さんにとって、思い入れの強い記録ではないでしょうか。83年、簑田浩二選手による記録達成(打率.312、本塁打32、盗塁35)をご記憶の方も多いと思います。
 

 
実は山田哲人選手は、このトリプルスリー以外にも、阪急にゆかりのある大記録を打ち立てています。
  

 
それは「二塁手としての本塁打記録」です。山田選手は2015年と2016年に、2年連続で38本という驚異的な本塁打数をマークしました。昨年の2018年も34本塁打し、今年も既に31本塁打を放っています。こちらも再び、2年連続の30本塁打達成となり、通算では4度目の30本塁打以上となります。
 

 
この「二塁手として2年連続30本塁打以上」は、あのダリル・スペンサー選手(64年、65年)と並ぶ記録です。
 

 

 
「ドクターベースボール」と呼ばれたスペンサー選手は、大リーグ仕込みの知識と戦術を持ち込み、日本プロ野球の発展に多大な功績を残したと言われていますが、その打棒でも猛威を振るいました。
 

 
当時は外国人選手に本塁打王を取らせない、という風潮から、シーズン終盤には徹底的な敬遠攻めにあったスペンサー選手。有名なバットを逆さに持ってバッターボックスに入ったシーンは、この頃のものです。
 

 
こうした敬遠策がなければ、スペンサー選手の記録はもっと伸びていたでしょう。ちなみに、二塁手によるシーズン最多本塁打記録は広島カープ在籍時代にグレッグ・ラロッカ選手がマークした40本塁打(04年)です。(スペンサー選手と山田選手は2位タイ)
 

 
山田選手のようなスター選手により「最強の二塁手は誰か」といった議論も起こっています。こうした過程で、阪急の選手たちの記録に再び光があたることは嬉しいことですね。